◎優衣



今日からは1人だ。




だけど汐莉。




先輩のチーム殺っちゃって、それから本心聞きにいくから。





それでも汐莉があたしといられねぇなら、あたしはちゃんと1人になる。




それまでは(仮)1人だ!







「じゃ、行ってきます。」

「優衣…」

「大丈夫だよ、ハル。心配かけたな!!」





ハルは、薄く笑った。






あたしは、教室には行かないで、真っ直ぐ先輩達の教室に。







「おはようございまぁす♪麻野優衣で〜す。」

「…なんだよ。」

「あはは、そんな構えんなよ。」

「何の用だって言ってんだよ!!」





一回負けたくせに。




力の差、まだわかんねぇのか?





「今日は、先輩方にチャンスをあげに来ました!」

「は?」

「今度は、全員で来てください!1人残さず…ね?」

「…っ…。わかった。今すぐ外に出ろ!」

「あはは!忘れちゃった?あたしは、普通になりたいの。授業受けなきゃ♪ってことで、放課後、よろしくね〜。」





それだけ言って教室に行った。




教室に入ると、汐莉は一瞬こっちを見たけど、すぐに視線を逸らした。






1人なんて、大したことねぇ。





汐莉と会うまでは、あたしは1人だった。




たださ、汐莉って存在を大切だとあたしが思ってる以上、大切にしなきゃダメなんだ。





こういうとき、マジになんなかったらいつなるんだ?





だから、本心聞かせろよ?





汐莉。