「……」
柏木さんはちょっと考えるように目を細めていた。
躊躇ってる……ように見えたのは俺だけ?
いくらなんでも俺も裕二も佐々木もジャケットを脱いだぐらいで欲情はしませんよ。
やがて暑さが増してくると、柏木さんはジャケットに手を掛けた。
スルリと腕を抜き取るその姿が色っぽい。
中は半袖のTシャツになっていたので、柏木さんの白くて細い腕が眩しいぐらいだった。
そんなにやらしい目で見るつもりはなかったけど……
俺の目は柏木さんの二の腕に釘付けになった。
裕二も、佐々木も、興味がなさそうな桐島までも……
ん?
んん―――!!?
柏木さんの腕には、
ワンポイントで、植物のツタのようなものが走っているトライバルデザイン、見ようによっちゃハートの形にもとれる
タトゥーが彫ってあったからだ。