戦う……軍資金?
身を守る?
言っている意味が良く分からない。
俺以外もたぶんみんなそう思ってるだろう。
みんな目をぱちぱちさせて、言葉を呑んでる。
「つまりあれだな?オフェンスかディフェンスかって言ったら、ディフェンス側がいいってわけね」
と無理やり裕二が会話を締めくくった。
ナイス、裕二。
敵ながら今の発言はあっぱれだ。
とは言え……俺も裕二もめちゃくちゃオフェンス側じゃねぇか。
草食系男子って言う言葉が流行る世の中、俺らはめちゃくちゃ肉食系。
だって目の前にいい女がいるってのに、受け身なんて考えられねぇ。攻めてなんぼのもんでしょ?
って何か話が逸れてる気がする。
「じゃぁさ、柏木さん彼氏もいないことだし、この中から誰か付き合うとしたら、誰がいい?」
幸いにも柏木さんを除くメンバーはみんな男だ。
選びたい放題だぜ。
俺の質問に柏木さんはちょっと困ったように眉を寄せた。
「この中から……?」
「そ、この中から」
「難しいですね」
それはみんな良いから難しいの?それともみんなタイプじゃなくて悩んでるの?
たぶん後者だろうな。
それでも柏木さんはじっくりメンバーを見渡すと、
やがてゆっくりと口を開いた。