「………えっ!?今日会えなくなっちゃったのっ!?」



せっかく仕事が珍しく早く終わったのに………



今日会う予定だった凛子が急にキャンセル………。



凛子にしちゃあなんか妙な態度だったような……?



まぁ、また会った時に聞けばいっか。



ケータイをしまって、思わず…はぁとため息が出た。



「………予定なくなっちゃったなぁー…。」



それにしても、今日はなんでこんなに早く仕事終わりにしてくれたんだろ……?



あの事務所…本気でいつも忙しいのに………。



「………???」



考えても考えても…浮かぶのは??ばかりだ。



もうわかんないことを考えるのは止めて…ほんの少し茜色に染まった空を見上げた。



せっかく早く終わってそのまま家に帰るのがもったいなかったあたしは……



学生時代、みんなでよく来てた高校近くの公園のベンチに一人座っていた。



ここって………6年前とちっとも変わらない。



由貴くんに逢いたくなったり…辛いことがあると、ついついここに来てしまうあたし……。



変わらない景色には楽しい思い出も、ちょっと切ない思い出も……たくさんたくさん詰まっていて、ここに来ると心があったかくなって落ち着くんだ……。