【side由貴】
「…………ほんと、久しぶりねぇ……。」
「つーか、いいわけ…っ!?……俺達がにこちゃんより先に会っちゃって!」
6年ぶりに帰って来た日本で………俺は懐かしい二人の前にいた。
実は……2ヶ月前にも医師国家試験を受ける為に受験願書を届けに帰ってたけど。
けじめの為に誰にも言ってない。
「………二人には、お礼言いたかったから。」
「「………!」」
言えば……凛子さんも瑠威も目を見開いて驚いた顔をした。
「…………あの子を、側で支えてくれて……ありがとう。」
そう言って、軽く頭を下げた。
「………なによ……。ペットの世話くらいするわよ。頭を下げられる理由はないわ。」
ふいとそっぽを向きながら、凛子さんがそんな風に言い返してくる。
でも………頭を下げた理由は他にもあるから。
顔をあげた俺は、今度は凛子さんだけに目線を向けた。
「…………凛子さん、凛子さんの子猫………俺が、今度こそ全部……もらうから。」
「………!」
覚い彼女は、きっともう気付いたと思う。