「………言っとくけど俺もこー見えて有名進学校卒業生よ~?

つーか、意外度で言ったらにこちゃんが一番だってば~…。」



「………!」



葉山くんは凛子とあたしをじとりと見ながらそう言って、焼き鳥に手を伸ばす。



「………確かにねぇ。まさかあんたが弁護士さまになろうとしてるなんて……初めて聞いた時は嘘としか思わなかったわ。」



「………ひ、ひどいっ!」



でも…確かにあの頃………凛子に打ち明けた時………



『寝言は寝て言いなさい…?』



……って、冷たく言われたっけなぁ………。



ふふふ………。



遠い目で過去を思い出し、ちょっぴり切なくなるあたし………。





「でも、すげー優秀らしいね!にこちゃん!この前ばったり玲兄に会った時、珍しくあの人褒めてたよ?」



「………!?」



その言葉に驚いてあたしは目をまるくした。



今日だってちょっと褒めてくれたけど……



普段玲さんはそうそう人を褒めるような人じゃない。



『人間褒めるとつけあがるんだよ?』……なぁんて言ってる人なんだよ。



「………あぁ、橘由貴の…あの腹黒そうな兄貴がねぇ………?」



「…………凛子さま~…多少はオブラートに包もうよ……。」



「………。」








いまだ驚きを隠せないあたしは、二人の会話をぼんやりと聞いていた。