空港で………あたし達はずっと手を繋いでた。



見送りは…みんな気を使ってくれたのか、あたし一人だった。








もうすぐ……時間。









あたしは由貴くんに向き直ると



にひっと笑った。



「…………!」



由貴くんは驚いた顔で目を見開いてあたしを見つめた。



「………ちゅうして!ダーリンっ!」



首に腕を回してそう言って笑った。



「………っ………いいよ……。」



「………!」



由貴くんは一瞬…泣きそうに顔を歪めたけど……あたしの好きな微かな笑顔になって………



触れるだけの優しいキスをくれた…………。








「…………今日は、無理。って…言わないんだね?」



あたしはからかうような笑顔で聞いた。



「…………言いたくないから。……俺のほうが、したいんだ………。」



「…………っ!!」








ダメダメダメ………っ!!!



泣くな…………!!!



由貴くんが旅立つ時のあたしは…………笑顔って決めてるの……………!!!