「………。」
家に帰って、部屋に入って、頭の中はまるで霞でもかかってるみたいだった……………。
浮かぶのは由貴くんの言葉……………。
――――――――――――――――………
『まだ……先の話だけど………。でも、にこちゃんには言っておかないといけないってずっと思ってた…………。』
今すぐじゃない……後、2年近く先の話……………。
でも……言うのが怖かった…と、由貴くんは俯いた。
『…………何かにこちゃんを繋いでおけるだけのモノが…欲しかった…………。にこちゃんを失いたくなかった…から………焦ってた。』
『………っ!』
だからって最低だった…そう言って………。
『……………何…年間………?』
自分の声が思った以上に震えてて……驚いた。
『…………6年間は帰れないと思う……。』
『………!!』
6年間…………。
それは、思った以上に長かった………。
『………向こうに行けば、俺は毎日勉強と研修におわれると思う……。生半可じゃドイツで勉強なんか出来ない。……きっと、にこちゃんに……寂しい思いを…させる。』
由貴くんは俯いて…苦しそうに言った。
『………だから、にこちゃんが決めてくれていい。』
『………由貴く……っ』
由貴くんは顔を上げてあたしを真っ直ぐに見つめた。
でも……辛そうな顔で…………
『俺と……別れるのか…………待って……くれるのか…………。』
そう……言ったんだ…………。