「これは………イマイチね。こっちは買いだわ。」



「…………。」



行きつけのショップにて…凛子さんの買い物は見てて気持ちいいくらいにサクサク進む。
いるもの、いらないもの……迷わない。



俺はその間、荷物持ちです…………。



「おまたせ。………待った?」



「や……!むしろ全然!」



早すぎるくらいだって!
女の子の買い物なんて長くて当たり前だと思ってる俺は慌てて頭を振った。



「……そ。まぁ、待ったなんて言わせないけど。」



「…………はい。」



むしろ口が裂けても言えませんけど………。



「貸して。自分の荷物くらい持つわ。」



そう言って俺が持っている荷物に手を出す。



「あー…これは俺の仕事でしょ?凛子さまには持たせられません。」



「…………。」



笑いながら出された手を避けると、凛子さんは俺の顔をじっと見つめて………



「………慣れてるわねぇ?それならお願いするわ。」



「………っ!」



そう言うと、ニヤリと笑ってあっさりと手を引いた。



俺は慣れてる発言に少なからず動揺だ……っ。



慌てる俺に対して、またくるっと振り返ると



「………ただあたし、当たり前に荷物は男に持たせるとは思ってないから。そこんとこ勘違いすんじゃないわよ?」



「…………!!」










なんかもう………男前過ぎるだろ~…と、俺は声も出ませんよー…………。