「………く…っ、はは…っ」
「…………!!」
あたしはひたすらポカン………。
由貴くんが…口を片手で覆って、肩を震わせて……笑ってるから………!
「……はぁ、…ぉっかし。」
一息ついた由貴くんはあたしに向き直ると
「違うよ。にこちゃんは……可愛くて有名人」
笑った名残の笑顔のままで…、あたしに…………
「……か、かわい…い?」
って…、言った……?
「……みんな言ってる。近くのコンビニでバイトしてる美少女って……。先輩とかも、狙ってる…って…」
そう言うと、最後はちょっとムッとして。
「でも……。もう俺の彼女だけど」
「………!!」
初めて出来た、あたしの彼氏。
橘由貴くん。16歳。
無愛想だけど、ほんとは照れ屋でやさしくて……笑った顔がかわいい。
そんで……、
「もう……他のヤツにはやらないから」
「………!」
意外とやきもち焼きらしい………。
そんな、あたしの彼氏。
もっともっと、君が知りたい。
知る度に好きが増えるから。