「………ふぅん…。君が、あの橘由貴くんの彼女か~…。」
「………!?」
一条先生はあたしのことを上から下まで遠慮なく視線を走らせる。
そのあまりに不躾なほどの視線に思わず怯む……。
「あ~…!ごめんごめん!有名だからね、橘くん……。さすがに彼女も美少女だなぁ…と思って。」
悪びれる様子もなく、またにこりと笑って………。
なんか……この人、苦手かも……。
そう思ったら、ふと…葉山くんの言葉を思い出した。
公園でみんなで話した……距離感ない教育実習の先生……。
由貴くんが苦手だって言ってた……この人があの、一条先生…だ。
由貴くん……気が合うよ……。
あたしもこの人、苦手だ。
思わずじりっと後退りかけて……手にした資料を思い出した。
「……これっ!預かってた資料です!」
はい!っと手渡し、とっとと帰ろうとしたのに………
「ちょっと待って。楡崎先生に渡す物があるから……それを持って行って貰える?」
「………っ!?」
最近の教育実習生は……遠慮なしだな……!!?