『…ここでいいかな?』
鉛のように重い足を動かして足を進めるとアタシは屋上に来ていた。
瞼が重い…。
あぁ…今のアタシ、世界一ブサイクだろうな、自信あるよ。だって、隼人いわくアタシは日本一ブスなんだって。だから今は、世界一なはず。
うわー、自分で中傷しちゃったよ、アタシったら、自分でとか空しい…。
それにしても、目の前に広がる空は嫌味なくらい、綺麗な色をしていた。
やいやいやい、お空さんよ。
このアタシに意地悪しようってか?何だ、そのウザいくらいの青は。アタシは今グレーな気分なんだよ、空気読んでよ。マジで!あんたKYになったら、あいつと一緒になるよ??あの、魔級の天然野郎と一緒になるよ?
『何か言えよ…コンチキショー!!!』
うん。とも、すん。とも何も言わない空にムカついたから叫んだ。
………ごめんなさい。
調子に乗ってごめんなさい。空は喋りませんね!はい!
「あ…柏毛じゃん…見っけ」
『へっ!?』
イキナリ声がしたから扉を見ると、一人の生徒がいる。
…って。
・
『何ですか!?柏毛って!!』
「え?…違うのか?」
『…えっ?』
いやいやいや!!マジな顔して言うのやめてください。え?柏毛?毛?何その名前ー、ちょっとマジ萎えるんですけどー。
『柏木です…』
「あぁ…木の方ね。最初聞いた時は疑ったんだけど…」
あんたの耳を疑うわ。