『別の場所にしよう…』





アタシは固まった体を懸命に動かし、場所を移動しようと試みる。





だけど…。そう、上手くはいかないみたいで、その場にまたパタリと座り込んでしまった。






アタシ、震えてる…。





自分の手を見て気づいた。





『っふ…ぅぅ…』





震える手を見た途端何かの糸がプツリと切れて、大きな滴がこぼれ落ちてきた。





手も肩もカタカタと小刻みに震えていて、涙を流すにはちょうどいい理由だった。






アタシの目から一粒、また一粒。
涙は止まることを知らない。





アタシも涙も何もかも、流れて消えて無くなればいいのに…。





どうして自分が震えているのか、泣いてるのか分からない。





ただ、二人の会話を聞いて、恐怖と言う闇にハマリそうだった…。






本当のアタシはどれ?
本当のアタシはどこにいるの?





舜…あなたは、アタシの何なの?












どうかお願い…この不安と恐怖を取り除いて…そして、誰か本当のアタシを教えて下さい。