「よぉ〜。皆さんお揃いで」






そんな状況とは反対に片手を気怠そうに挙げ、優雅に歩いてくるのは、お伽話に出てくる王子様みたいな…………タラシ。






「隼人、おはよ〜!!てかさ、コイツどうしたの??」





コイツとは恐らく舜の事を言ってるのだろう。





「あぁ〜…」




それだけ言って、何や意味深に頷き舜に近づく。今ニヤって笑った気がしたけど気のせいかな??
いや…気のせいじゃないな。絶対何か企んでるよ、あのタラシ。





「そこに居るのは舜さんじゃないのよ〜」






座り込んで何かぶつぶつ唱えてる舜の肩の上に手を置きながらそう言う。






「あ?…………ひぃっ!!!!」


「何だよ〜、そんなに嫌がらなくてもいいじゃんよ〜」





楽しそうに隼人がジリジリ迫り、恐ろしそうな舜がズルズル後ろへ下がる。






「ち、近寄るな!!どっか行けぇぇえ!!」


「近寄るな、ねぇ…あんな事した仲なのに??」






あんな事を強調させながら舜の耳元で囁く。もいろん周りには丸聞こえ。








「う、嘘だ…嘘だ…何かの嘘に決まってる!!」


「……嘘じゃないって言ったら?」





隼人の顔がだんだん真顔になっていく。







隼人が真顔になるにつれて、舜の顔からサーっと血の気が引いた。







「俺達は元には戻れない…」






いつものふざけた感じじゃなくて、口調は真剣そのもの。







「ぁ゙ぁ゙あ゙…………う、嘘だァァァア!!」






最後の止めを刺されそう叫んで……パタリ、舜は意識を失った。