「颯太ぁぁぁぁあ!!」
舜が全力疾走で叫びながら走って来る。しかもめちゃくちゃ速い。
ボルトよりも速い。多分、金メダルだよ、あんた。
あれっ??…隼人の姿がない。あんたの相方がいないじゃんか。
『隼人は?』
不思議に思い、目の前の舜に問い掛けた。本当にただ普通に。
「は、は、隼人…!?」
隼人の名前を言うと舜が急に、唇をヒクヒク引き攣らせ、指をワナワナと震わせてこちらを指す。
「そ…その名を口に出すなァァァァア!!!」
『は??』
そう言ってその場に崩れ落ちた。
『何この状況??』
唖然…。
突然、泣いて叫んで崩れ落ちて…意味が分かんない。分からなすぎて、ただ、ただ、唖然。