―…8時40分。
ふぅ…何とか間に合ったみたい…。
体育館に着いたアタシは安心しながら自分の席に座った。
入学式は9時から始まる予定。
それにしても…
『本当に男子しかいない…』
独り言のように小さく呟いた。
こうなった以上通うしか無いんだけど…不服だけどね!!ってまぁ…これから先どうすればいいんだろう?
友達とか出来るかな…?
出来たとしても友達が男子だけって…ちょっと悲しい。
「お待たせいたしました!ただ今より入学式を行いたいと思います!」
あ、やっと始まった。
時計を見ると針は9時を指していた。
そんなに時間経ってたんだ…気づかなかった。
「続きまして、学園長式辞」
舞台の上の学園長を見るとダンディなおじ様だった。
「新入生の皆さん入学おめでとう!!私はここの学園長の青山和仁だ!よろしく!」
少しバスが掛かったような声。
「気づいている子もいると思うが今年の新入生には女の子がいる!」
学園長がそう言うと体育館の熱が一気に上がり騒がしくなった。
「マジかよ!!超ラッキー!!」
「俺、男子校だから彼女作るの諦めてたけど…希望が見えてきた!!」
「俺も!!」
あちこちから色んな声が飛ぶ。
皆一斉に喋るから聞き取れず何を言ってるかがさっぱり分かんない…!!