青々と広がる空。
雲一つなくて風当たりも良く程よい気温。
こんな気持ちの良い天気にアタシの目覚めもスッキリ!!
………なんてことは全く無く。
アタシは今、体の全部の力を使って寮内を駆け回っている。
ヤバイ!!!!また遅刻だよ!!!
今回は目覚まし時計の設定間違いでは無く……曜日を間違えてしまいました…あはっ。
おかげで全身汗だく…。
前回は颯太が起こして一緒に行ってくれたけど、今回はなぜだか放置された。
『ハァハァ…誰でも…ハァ…いいから…起こしてよ…ハァ』
チキショー!!!!少しはアタシを気にしてくれてもいいじゃんか!!
確かに、「まぁ、姫だからしょうがない」とか思われても仕方ないよ!?
だけど、気にしてくれても良くない!?
と、そんな時…。
「ぎゃあ!?」
…―ドン!!!!
何かが足に引っ掛かり、大きな音を出しながら盛大に転んでしまった。
「イテテテテ…ん?糸?」
足元には一本の糸。
どうやらこの糸に引っ掛かったようだ。