まだ状況が把握しきれないアタシはその場に立ち尽くす。
「お前は確か…」
そう言って金髪の人がアタシを指差す。
一瞬誰を指してるのか分からなからなくて辺りを見回したけど彼の指差す方向にはアタシしかいなかった。
え!?あ、アタシ!?
「姫菜ちゃんだ!!ほら颯太!この子!」
男の子にしては少し高い声が耳に入る。
「見れば分かるから!!」
「え〜、颯太つまんない」
そう言われた爽やか君の顔は呆れている。
「いやいや、普通にわかんない方が難しいだろ」
「何!カッコつけてんだよ!」
二人の言い争いはまだ続く。
「紫苑!お前な―「ちった〜黙ろうか、お二人さんよ〜」
いつまで続くのかと呑気に見ていたらそれは間延びした喋りかたの彼に止められた。