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自分の部屋に戻ってきたアタシは、ケータイのアドレス帳を開く。






アドレス帳の一番最初に入ってる親友の電話番号を見つけ、発信ボタンを押す。






…プルルル…プルルル…





ケータイの電子音だけが部屋に響く。







そして、愛梨がそれに出たのは3コール目だった。






《…もしもし?》


『もしもし、愛梨!?アタシ!!姫菜だよ〜!』


《えっ姫菜!?久しぶり〜!!全然連絡くれないんだもん!!忘れられたかと思った〜》






ソプラノの高い声。
きっと、電話の向こうではほっぺをプクーって膨らませてるんだろうな。
あはは!想像出来る。






『ごめん!てか、忘れてるわけないじゃ〜ん!…そういえば!リハビリ始めたんだって?』


《うん!!今日も病院行って》


『あっ、そうだったんだ!!』






口から出そうになった言葉を慌てて飲み込む。







“大丈夫?"







そんなこと口が裂けても言えない。







きっとリハビリは想像出来ないくらい苦痛なはず。
愛梨のことだから一人で泣いてるに決まってる。
なんてたって、人に頼るのが苦手な子だから。