アタシは、自由になった足を動かし、中へ足を進める。
うふふふふ…。
自由ってなんて素晴らしいのかしら!!
足が、空気のように、天使のように舞っているわ!!
今ならボルトにも勝てる気がする!
「姫!!」
自由を堪能していると、どこから、アタシを呼ぶ声が…。
『紫苑君!!…それと皆!?』
そう、そこには護衛軍団が集結していた。
ついでに言うと、全員縄で拘束されている。
『アンタ達、何やってんの!?何で全員捕まってんの!?』
「そんなにギャースカ喚くんじゃねぇよ。オメーさんわよ」
『いや、だって!!』
「俺だって縄で縛られんのは嫌に決まってんだろ??まぁ、オネーサンに縛ってもらえるなら―『黙れ』」
ハァ…。全くしょうもない。
口を開けば卑猥なことばっかり言いやがって!
マジで、いっぺん刺されるべきだよ!!
まぁ、隼人ならその辺ぬかりないだろうけど。
「まだ、途中じゃねぇか。最後まで聞けよ」
そう言うわりにはヘラヘラと笑っている。
アンタっていつもそうだよね。
『アンタの卑猥話しなんてどうでもいいから!颯太さんが説明して?どうして皆捕まってんの!?』
「いや〜、それが…学校のそこら中に落とし穴があって…」
『落とし穴!?』
学校に!?
嘘でしょ?信じらんない!!
穴、空けたの!?頭オカイシんじゃないの!?
普通穴なんか空ける!?学校に!!
「そっ!!だから捕まりたくなくても落っこっちまったわけよ」
『…ありえない…』
「って、言ってもそれ掘ったの僕達じゃないから」
『へ!?』
そんな馬鹿なことするのって生徒会くらいじゃないの!?他にいなくね!?
「何か失礼なこと考えてない?」
『い、いえ!!全く!!』
ギクリ…。
アタシの心が透視されてるよ。