「ふ……ふふふ…! 林檎石が欠片でも手に入れば…!
あわよくば純度の高い物を…」


「心の声が口から出てますよユラ様。アンタ一応お姫様だろーが」


「黙れ条件その1」


父上からの条件1、隊長であるイルから離れないこと。

まぁ、腕はいいから仕方無いけどさー…。


「どーせならサユが良かったなー…」


サユとはイルの妹で侍女をしている子だ。

歳がまぁ近いので仲がいいのだ。


「冗談。サユなんかつけてみろ。国が滅びる。……隣国が」


「酷い言われよう…」


「ユラ様とサユの二人は絶対に野放しに出来ない二人ですからね。余計な火の粉をかぶりたくないんですよ俺は」


「私にも失礼だよね!イルって!」


「褒め言葉と捉えます。考えてもみてくださいよ。
実際に隣国を滅亡においこんだりしたら………


俺が面倒です」


「それでも隊長か!

しっかし隣国も思いきったよねー、私と婚姻だなんて」


「ええ。 ご子息がどうなってもよいのでしょうかね?」


「……、自国の王族の心配は?」


「あ、俺、無駄な事はしない主義なんです。
あと、面倒事は全力で避けます」


「よくそれで隊長までのしあがったもんだよね!

色々足りないよね!
具体的に言えば正義感とか、使命感ってやつ!」


「ハハハ、ユラ様だって…

足りないじゃないですか、女子力」


「………………。」

「………………(ニコリ)」


ほんと、この減らず口の隊長なんとかして!(怒)