王子が三人続き、第四子にして、王様とお妃様待望のユラ王女です。

容姿は母に瓜二つ。そんなユラ王女は勿論王様の宝でした。


歳は19歳と、フェリクス王子から7歳下なので、この王女は兄三人にも大事にされてきました。


自由な国風がそうしたのか。はたまた、溺愛しまくられた結果なのかはわかりませんが、ユラ王女はそこらの姫とは一風変わった王女に育ちました。


具体的に言えば、宝飾品の類いには興味を示さず、魔法工学や剣術、歴史書の類いに情熱を注ぐような王女でした。

容姿はかつて『魅力の文字を人にしたならばお妃様だ』と言われる程に神秘的な魅力をもつ母親に似て、魅力的だろうに、前髪長めのほったらかし・眼鏡・機能的な服の三点で、『え、アレが王女!?』みたいな王女にそだちました。酷く勿体ない話です。


しかしユラ王女は持ち前の聡明さと、とても王女に見えない服装と人柄の良さでたくさんの人たちに慕われていました。



いつかは魔法工学のより高みを目指した発展と、新しい活用法を研究し、国に一層の繁栄をもたらしたいと大層な志をもっていました。そしてそれを周りも分かっていたので、王女を悪くいうものなどどこにも居ませんでした。