繁華街を抜け、ようやく静かな住宅街に入った。


「…なあ、莉子。何で店に来たんだ?」


背中の莉子に声をかける。



「ん~…??やきもち妬いちゃったから。」


「は?やきもち?」


「だって私、翔の事だ~いすきなんだもん!!」



そう言うと、莉子は俺にぎゅっとしがみついてきた。



「莉子…苦しい…。ちょっと離れろ。」


「やだ…」



子供か…(笑)








「莉子…愛してるよ。」


俺は、莉子に聞こえるように呟いた。



…なのに…


聞こえて来たのは、莉子の寝息だった。


…ま、いっか。



ゆっくりとアパートに向かった。