俺は莉子がいる席に向かった。


「帰るぞ。」



莉子の腕を掴み、立ち上がらせる。


「翔??」


莉子が驚いたように俺を見る。


俺は莉子の腕を引っ張り、店の外へと出た。



「翔ぅ~、ゆっくり歩いてよぉ…。歩くの速いってぇ~。」



…こいつ、何杯飲んだんだ?


足元もフラフラしてる。


…俺が支えてなかったら、絶対ぶっ倒れてるな。



「ちょっと休憩、休憩。もぅ歩けなぃ~。」

「おいっ!こらっ」


莉子は、その場にしゃがみ込もうとしている。



…おいおい。ここは繁華街だっての!



「莉子、立て!」


「無理ぃ~」


ヘラヘラ笑いながら言う莉子。



…ったく…しょ~がねぇな…。



「ほら。おぶってやるから。」


俺がそう言って屈むと、莉子は嬉しそうに背中に抱きついてきた。