…やっぱり、来なきゃよかった。


翔の言うとおり…。



…仕事だって分かってても…やっぱり、他の女の人に優しくするの、見たくない…。






「お待たせしました~」


私の隣に一人のホストが座った。



「グラス、何も入ってないね。水割りでいい?」



ホストの言葉に私は頷く。



「名前は?何て言うの?」



「…莉子。」



「莉子ちゃんかぁ~。俺はアキラ。よろしくね。」



手早く水割りを作り、私の前に差し出しながら、アキラというホストは言った。



私はその間も翔の事が気になって仕方ない。



チラチラと翔の方を気にしていると、


「あ、もしかして、莉子ちゃんもショウのファン?」


アキラに言われた。


「…ファン…っていうか…。」


「カッコいいよね。ショウ。俺から見ても憧れ。」



「そうなの…?」


私は水割りを一口飲んだ。