「…おい!誰か飛び降りようとしてるぞ!」


「ほんとだ!…大変だ!警察…それと救急車だ!」




微かにそんな声が聞こえてきた。


見下ろすと、通行人とかが足を止め、こっちを見上げている。



ファンファンファンファン…



どこらからか、パトカーのサイレンの音まで聞こえる。





「ほら、早くこっち来いって!ヤバイぞ。警察とか来る!」



「…え…あ…。」


私は背後の声のする方を見た。



私の全く知らない男…。



「早くしろ!警察来るぞ。」




「…あ…」


私は男にいわれるがまま、はじめにそうしたように、また、柵を乗り越えた。



すると、その男は、私の手を引き、走り出した。