突然あたしの前に現れて、
突然消えた、そんな人。

ただ、なぜだか昨日から
りくが頭から離れないんだ。

どうでもいいはずなのに…
関係ないはずなのに…


「舞~っ!!早く降りてきて
ご飯食べちゃいなさい!!」

一階からお母さんの声が
聞こえて、我にかえる。


ふと、おかしくなって笑った。


だって、あたしはあのとき
心に誓ったんだ。

もう誰も好きにならない、と。


だって、もうあんな悲しい
思いをするのは嫌だから。


それに…
今でも優介はあたしの心に
住み着いている。