「詩織……あんた…シンナー吸ってんの……とにかく今から家に帰りましょ、このままだと、お父さん…警察に捜索願い出すって言ってたわ!お姉ちゃんも付いて行ってあげるから、早く帰ろう」


警察……と言う言葉に、敏感に反応した詩織は、嫌々ふて腐れた態度で歩き出した。


父と詩織は、あの借家から出て、今は二間しかない小さな文化住宅に住んでいた。


家に帰るなり、酒に酔っていた父は詩織を殴る、蹴る!


「やめて~お父さん~詩織を殴らないで~殴っても、何も解決しないよ~」


止めに入った私も、とばっちりを受けた。


詩織は泣きながら、奥の部屋に閉じ籠った。