どこかのクラスの担任をしていたら、こんな時期に辞めたりしたら保護者になにか問われるだろう。



でも俺にはその心配がない。





「こんな時期に退職なんて次の学校が見つかりにくいですよ?」


「それでも構いません。ただ…彼女は、羽田はもう一月で卒業です。卒業だけはさせて下さい。お願いします」





俺は校長に向かって頭を下げた。