後夜祭、行かないのだろうか。

行かないにしても、ここで一人で片付けをする位なら、帰った方がまだましだと思うけど、何か理由があるのだろうか。


「姫月!」



突然名前を呼ばれたから、一瞬五十嵐に呼ばれたのかと思った。
けど、この声は、あたしが大好きな声。


ドアの方に目をやると、大地が笑顔で立っていた。
急いで大地の側えと向かう。


「どうしたの?」


「これ、渡すのずっと忘れてたからさ」


そう言いながら、左手に持っている白い封筒をあたしに渡して来た。


「入学式の時の写真。ほら、校門で撮っただろ?」


「そういえば撮ったね。ありがとう」


「こっちこそ、遅くなってごめんな。
じゃあな!」


大地は走って行った。

華耶の元へ。


あたしは封筒から写真を取り出す。
満面の笑みを浮かべたあたしが、そこに居た。

あたしって、こんなにも分かりやすい顔をしていたんだね。

ねぇ大地、あたしこの時すっごい嬉しかったんだよ?


大地と同じ高校入れて。