「姫月!後夜祭の準備手伝って来るからちょっと待ってて!
友達に頼まれちゃってさぁ」
「えー?ここで?……華耶は?」
「小野寺とだって」
「ふーん…じゃ、早く戻ってきてね」
「はいはい!」
そう言うと、美津菜は教室を小走りで出て行った。
教室に居るのは、あたしと五十嵐の二人だけだった。
どうしたら良いのか分からず、取り敢えずあたしは足下に落ちていたごみを拾ってごみ箱へ捨てた。
五十嵐は、一人で黙々と窓に貼られた装飾を剥がしている。
気まずい雰囲気に耐えきれず、あたしは戸惑いながらも口を開いた。
「……鳴海は?」
「もう帰った」
「ふーん……早いね」
ちゃんと返答してくれた事に、あたしはホッと息を吐いた。
ホッとしたのもつかの間、またしても教室は静寂に包まれる。
あたしは黙って美津菜が戻って来るのを待った。
友達に頼まれちゃってさぁ」
「えー?ここで?……華耶は?」
「小野寺とだって」
「ふーん…じゃ、早く戻ってきてね」
「はいはい!」
そう言うと、美津菜は教室を小走りで出て行った。
教室に居るのは、あたしと五十嵐の二人だけだった。
どうしたら良いのか分からず、取り敢えずあたしは足下に落ちていたごみを拾ってごみ箱へ捨てた。
五十嵐は、一人で黙々と窓に貼られた装飾を剥がしている。
気まずい雰囲気に耐えきれず、あたしは戸惑いながらも口を開いた。
「……鳴海は?」
「もう帰った」
「ふーん……早いね」
ちゃんと返答してくれた事に、あたしはホッと息を吐いた。
ホッとしたのもつかの間、またしても教室は静寂に包まれる。
あたしは黙って美津菜が戻って来るのを待った。