あたしの気持ちを代弁するかのような台詞。


「い……五十嵐!?」


「早く行けっつってんの」


一気に空気が冷たくなる。
大地が五十嵐を睨む。


「はぁ?なんだよお前……」


「その……ね?まだお客さん来るかもしれないし、ここにいる と来にくいじゃん?
だから……!」


あたしは大地の言葉を遮るようにそう二人に話す。


「う、うん……じゃ、姫月ばいばい」


華耶は大地の手をひいて、教室から出て行った。
何で五十嵐はあんな暴言を吐いたのだろう。

正直あたしも早く居なくなって欲しかったけれど。
何か気に障る事でもあったのだろうか。

あたしは意を決して口を開いた。


「何で……華耶と大地にあんな事言ったの?」


「ムカついたから」


それだけ言うと、また綿あめを作り始めた。


「何で?」


あたしは更に問い詰める。
どうしても、理由が知りたかった。


「自慢みたいな事言われて、お前だっていい気分はしなかっただろ?
それにあのわざとらしい笑顔、見てるとイライラする」


男が華耶を嫌いだなんて、きっと五十嵐が初めてだ。
大体の男は、あの笑顔にコロッとやられてしまうのに。


「まあ……あたしも少しイラッときたけど」


あたし、何で五十嵐にこんな事話してるんだろう……。