「どう?繁盛してる?」


「……うん!すっごい売れたよ!」


「そっか」


華耶は浴衣から制服へ着替えていた。


「大地に浴衣姿見せてあげた?」


いつもと同じ様に言ったつもり。

そしたら、華耶は顔を赤らめて
「……うん。
綺麗だねって言ってくれた!」
なんて言って来た。
隣の大地も赤くなっている。

何であたしはこんな質問をしてしまったのだろう。

自分で聞いていながら、ショックを受けたりして。

五十嵐が、無言で華耶に二つの綿あめを渡した。


華耶はそれを受けとるとにっこりと笑って
「ありがとう」
と可愛らしい声で言った。


そうやって、大地の前でも他の男にブリッコして……男なら誰でもいいんじゃないの?……なんて考えてしまうあたしは、なんて心が狭いのだろう。
華耶は悪くないのに、自分が告白出来なかったのを華耶のせいにして。

華耶が可愛いからってブリッコだなんて思ったり……ただの僻みじゃないか。