だけど、もう遅いよ。

口から出たって事は、少なくとも、そう思ってるって証拠だよ。


私、そんなに邪魔なの?


桂子ちゃん。


私――――疲れた。


今さら、また傷つかなきゃいけないのは――どうして?



「ほんと、ごめんっ」


佐伯くん、必死に謝ってる。

それは分かっていた。
だけど、何も言葉が出てこない。


すぐにでも、この場から離れたいのに、足が動かない。



誰か――助けて!


私の心の叫びが届いたのか、


「ケンチャナヨ?」


聞き覚えのある声が聞こえた。