『雅人くんに言われて、雑誌読んだ。これ、どういう事なの?』

「それは…………」


どういうも何も――。



私は、このカン・ジュヨンさんと知り合いみたいなもので……。

――って言っても。


事故で記憶を失っていた、足長さん(ジュヨンさん)と少しの間、一緒に過ごして。

いつの間にか、私は『足長さん』に片思いしていて――。


だけど、記憶が戻ったその人は、韓国人ピアニストの『カン・ジュヨン』ったんだけど。

それでも、私の気持ちは変わらなくて……。
ジュヨンさんとも、何回か話をしたけど。

完全に私の片思い。



「――って、わけ」

私は、桂子ちゃんに全て話した。


『信じられない……』

当然、桂子ちゃんはびっくりしてる。



「前に、好きな人がいる……って、言ったでしょ?」

『うん』

「それ、ジュヨンさんの事なの」

『…………』


しばらく黙っていた、桂子ちゃんが言った。


『羽那ちん……。私は応援したいけど……するけど。――大丈夫なの?』

「え」