「(今でもジナは『テソン』の事を忘れていない)」


テソン……。
亡くなった親友の名前。


「(許して欲しい。ジナの事……)」

ジュヨンさんが言った。


きゅう……。
その悲しそうな瞳が、私の胸を締めつけた。



「……もちろんです。そんな理由があるなら、誰も責めたりはしません」

誤解はすでに、解けているから。


「(ありがとう)」

そう言って、ジュヨンさんが笑った。



この笑顔が好き。
安心する。

このまま、ずっと……。
笑っていて欲しい。

涙で曇る事がないように――。
心からそう思った。