ちゅっとリップ音が響いた―



一番驚いていたのは、海人だった。


「っえ?!振りほどくと思ったのに…」



「もう、疲れたの」



嘘だよ。



「私、いお君を嫌いになりたい」



嘘に決まってるじゃん。



「私…いお君あきらめる」



最大の嘘。