―え? 私は驚いて声も出ない。 「秋田のせいよ、あいつがフラれたってだけじゃなくて、佐賀とデキてるって話したの。始めはあまり信じてなかったけど…その…」 「その?」 少し敦子がとまどっているようにも見えた。 視線を落とし、再び私を見る。 「庵君が来て、秋田を殴りつけたの」 「っ!!」 「『俺の女に手出すな』そう言って…」 "俺の女" 敦子から出た響きが、いお君の声になって私の脳裏に響き渡る。