恐る恐る目を開けると、いお君の悲しそうな顔。


「いお君?」

「そんなに、俺と付き合ってんの嫌か?」


どくんっ…


心臓が大きく脈を打った。



「何言ってるの?」

「何でただの幼なじみとか言ったん?恋人なんやからそれでえーやん」

「違うよ」

「何が違うん?…っは~、もぉわからんわ」



頭をぐしゃぐしゃと掻く。


「俺になんで何も言ってくれへんの?」


……。


何も言ってくれない。