『……あの、さ…』




なかなか言い出せなくて、ついには教室の前まで来てしまった。


い、言うぞ…!




『あたしってお嬢さ』


「きゃあああああああああああああああっ!!」




耳をつんざくような、鼓膜を突き破るような。


とりあえず物凄く黄色い声が、教室の中から聞こえた。


あまりの衝撃に軽く立ち眩んでいると、繭が小さな悲鳴を上げた。




「か、蕪城先生っ…!!」




…そういえば繭って、前から蕪城先生のこと好きだったよね。


いや、華苗も好きだったはず。


繭に聞いたら、あくまでも憧れですわって返されたけど…。




「う……麗しすぎますわっ…!」


「まぁ、繭さん!お気持ちはよーくわかりますが、お気を確かに!」




慌てて教室に飛び込むと、お菓子に群がる蟻のように………大勢の生徒が、蕪城先生に群がっていた。




『な、な、ななっ…!!』







どうなってんの、これ!?