「おはよー…」
「うわ、奈都テンション低すぎ! 朝はいっつも村田先輩と一緒だからテンション高いじゃんー!」
「…そうだっけ? てか、今日何話したか全然覚えてない…」
「じゅ、重症だね……風邪?」
「…違う…」
話しかけてきた友達のミホへの返事も曖昧に、自分の席に着いた。
エレベーターを降りてから学校に着くまでの間、圭と何を話したか覚えてない。
多分いつものように他愛もないことを喋っていたとは思うんだけど。
…こんなこと、今までなかったのに。
私が上の空だったせいで、圭に嫌な思いをさせてないといいけど。