「いってきまーす」 いつものように玄関に立って、リビングの方に向かってそう言う。 小さい頃からの、習慣。 そう言ってから、ガチャッと音を立ててドアノブをひねり、家の外に一歩踏み出した。 「奈都(ナツ)は朝から元気すぎ。声が外までもれてましたけど。」 「っ! け、い……ちょっ、びっくりするからドアの真横に立つのやめてくれない?!」 「いーじゃん?俺がどこで待ってようと。 いい加減慣れろよ」 「無理言わないでよ!」