「…ここまでくれば、大丈夫かな」 「ここ、って、」 「屋上ですが。」 「…立ち入り禁止じゃ、」 「まーね。俺の秘密の場所。 ナイショね」 『ナイショね』 圭にとっては、特に深い意味なんてない言葉なのに。 それなのに、ドキドキして浮かれてしまう私は、愚かなんだろうか。 初めて来た屋上は、空がとても近くにあるように感じた。