流れてくるバラードに、目を伏せてこれからを想像した。
きっと、彼は笑顔でチョコレートを受け取ってくれるだろう。
だけど、次の日からもまた笑いかけてくれるだろうか。
あたしの想いを受け取ってもなお、笑いかけてくれるだろうか。
「……無理だろうな」
自嘲気味に笑って、バラードを口ずさむ。
好きでいられるだけで幸せで。
近くにいるだけで、話ができるだけで毎日が楽しかった。
なのに、あたしって欲張りだ。
いつの間にかそれだけじゃダメだった。
みんなと同じような立場にいることが、どうしようもなく悲しくなってしまったんだ。