──午前5時。
眠るなんて、できなかった。
迷って、迷って。
何度も書いては、消してを繰り返して。
気づけば、こんな時間だった。
結局、手作りのチョコレートに添えた手紙にはたったの四文字だけ。
長々しい言葉は必要ないとわかったから。
長々しい言葉にすると、何枚書いても書ききることができないから。
だから、すべてを
たった四文字のシンプルな言葉に込めたんだ。
「……よし」
手紙を添えたチョコレートを用意していた紙袋に入れる。
まだみんなは寝ているみたいだから、部屋で大人しくしていようと音楽を小さくかけた。
複雑な気分の、バレンタイン。