不機嫌な私は
何?という顔で振り向いた。


後ろから中年男の先生っぽい人が必死にこっちにむかって走っている


「浅森純さんですよね?もーなかなか来ないから心配しましたよ‥‥」

私の目の前に止まり、息を荒くしながらそういう。

「あ、すみません‥」


てか、この人誰だろ?


「もう入学式も終わってしまったし‥とりあえず教室に行きましょう!あ、僕は君の担任の田中です。どうぞよろしく。さっ、行きましょう」


なんだ。担任なんだ。


担任の田中先生のいきなりの登場でさっきの苛々を少し忘れられた私は、田中先生の後ろをついて行った。



階段を登って4階に行く。

田中先生は"1-A"と表示されている教室の前で止まった。


「ここが君の教室だよ。じゃ、僕はまた来るから君は教室に入って待ってて下さいね。」


「はあ‥」



そう言って田中先生は去っていく。



――教室にはすでにたくさんの生徒がいた。


もう入学式は終わっちゃったんだ‥