何十分走っただろう‥



汗が頬に流れ落ち、荒れた息を整える。


「や、やっと着いたぁ‥」


目の前には
私が入学する高校。



ホッと胸を撫で下ろす。



――だけど


『‥‥入学生、入場‥‥』



体育館らしき建物から、アナウンスが漏れてきた。



やばい!!入学式始まっちゃった!!



再び焦り出した私は、急いで校門をくぐる。

そして生徒玄関へ向かい、扉を開けようとした‥


――けど。


「し、閉まってる‥‥」



生徒玄関はピッシリと閉まっていた。



どうしよう~‥

人なんて周りにいないし、見る限りどこの入口、窓も閉まっている。



どんどん聞こえてくる入学式のアナウンス



ハァ‥


入学早々、とんでもないドジふんじゃったよ‥