2人はなかば見つめあった。


「誰だよ、お前は。」



ベンニはその少年に刺すような視線を送りながら言った。


「今日、お前の家の隣りに引っ越して来たんだ。ウ゛ォルフィって言うんだ、名前。」


ベンニは驚きを隠し切れなかった。



「ウ゛ォルフィ?ホントかよ。」



「なんで俺の部屋にいるんだよ、お前が。」



「君の母親の金切り声が聞こえたからさ、なんか、あったんじゃないかって。」



ベンニは訳がわからないとでも言いたげに首を振りながらタバコに火を付け、深く吸い込んだ。