「……そっか、なにかあったら連絡してね」
あたしの強い眼差しを見て、少し安心したように南さんは一歩下がった。
「……あと」
「………?」
何かを付け足すように、南さんはあたしの耳元で囁いた。
"何があっても、日向を信じて"
その後、片手をあげてあたしに振った南さんは、後ろに背を向けて帰って行った。
「ほんと南くんって読めない人。さ、奈央ちゃんどうぞ?」
一言つぶやいて、夏紀さんはあたしを招き入れた。
「……おじゃまします」
……夏紀さんに何言われても、何があっても、あたしは日向を信じるよ。
日向があたしを守ってくれたように。あたしも日向を守りたいの。