あたしは目を閉じて、深く息をはいた。
胸の奥から湧いてきたのは、日向への気持ちと……。
夏紀さんへの気持ち……。
すっかり冷めたコーヒーをすする南さんに、眼差しを向ける。
「南さん、あたし……」
「俺は………」
あたしが口を開くと、南さんが言葉をかぶせた。
「協力するよ、できることなら。……奈央ちゃんのためにも、日向のためにも」
「南さん………」
「男なら、親友とその女の幸せ願うのがあたりまえだって♪」
そう言った南さんは、いつもの無邪気な笑顔で笑った。
「あたし……夏紀さんに、会いたいです。会って、ちゃんと話したいです」
「……了解!」
南さんに協力してもらって、あたしは夏紀さんに会いに行くことになった。